なぜ、NPO団体のネット広告運用をする広告代理店が少ないか

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広告代理店の軽い内部事情についてをお話してから、NPO団体のネット広告運用を行う広告代理店がなぜ少ないかについて、お話します。

広告代理店はどうやって収益を上げているか?

まず、広告代理店がどうやって収益を上げているかをご説明します。
これはあくまで、ネット広告業務に限った場合です。

ネット広告専業の広告代理店では、広告費と手数料をお客様からもらって収益を上げています
このうち、広告費というのは、媒体(メディア)に丸々支払っているものです。
媒体とは何かというと、Googleであり、Yahooであり、各種広告システムを提供している企業や、Webサイトなどの広告を掲載しているところです。

この広告費は丸々、媒体に支払うので、広告代理店には1円も残りません
少し具体的な数字を出してみましょう。

広告代理店から、「100万円のGoogle広告を掲載しましょう」というお話があったとします。
このとき、そのうちの80万円は、Google社のシステムを利用させてもらっているため、利用料として、Google社に支払っています
これが広告費です。

そうすると、20万円が残り、これが広告代理店の収入になります。
これが手数料です。
手数料は広告費の20%程度が業界ルールになっています。(まぁ、それなら正確には16万円なのですが…)

ここから言えるのは、お客様から見ると100万円支払っているのですが、広告代理店には20万円しか入ってこないということです。

では、20万円しか入ってこない広告代理店側で何が出来るのでしょうか。
ざっくり考えてみます。

新卒者の一般的なお給料は大体20万円です。
ということは、100万円支払っていただけるお客様がいたとしても、新卒1人分のお給料にしかならないということです。

実際には、20万円から様々な経費が引かれていきます。
それを考えると、100万円分の広告では、新卒1人分のお給料すら出せないのが現実です。
つまり、 100万円も支払っても、新卒1人すらフルに動いてくれないということです。

実際には、チームで動くこともありますし、先輩が指導しながら業務にあたることもあります。
また、大口のお客様の利益で補填していることもあるので、実情を正確には表していないかもしれません。
ただ、100万分の広告では新卒1人すら、つきっきりになってくれることはないのが現実です。
※もちろん、広告代理店によりますが、多かれ少なかれ、このような状況です。

なぜ、NPO団体のネット広告運用をする広告代理店が少ないか?

この辺の事情を含め、なぜNPO団体のネット広告運用をする広告代理店が少ない理由を考えてみます。

それは一言に尽きます。
作業は結構必要なのに、儲からないから、です。

ほぼすべての広告代理店は利益を優先して動いています。
企業なので当然です。
であるため、より多くの広告費を出してくれるお客様に力を注ぎます。

しかし、一部のNPO団体を除き、多くのNPO団体では広告に割ける予算が非常に限られているのが実情だと思います。
そのため、広告代理店側からすると、慈善という考えがないと割にあわない、ひとを割けないのです。

実は、ネット広告は、広告費が大きいか小さいかによって、必要な作業が大きく変わるわけではありません

例えば、毎月1億円の広告費を投じている広告主と、毎月100万円の広告主がいたとします。
その場合、非常にざっくりした話ですが、前者に必要な作業を100とした場合、後者でも60~70は必要なイメージです。

しかし、広告代理店からすると前者は2000万円の利益があり、後者は20万円です。
それを考えると、前者の広告主を重要視したくなる気持ちもわかるのではないでしょうか?

また、広告代理店側としては、時間を追うごとに広告費を増やしてくれる広告主が望ましいです。
毎月同じ広告費で配信を依頼していると、次第に注ぐ力を減らしていきます。
それでも、そこそこは広告配信を維持はできるからです。
NPO団体であると、広告費を積極的に増やしていくことが想定しづらいため、広告代理店側としては積極的に仕事を受けにくいと思われます。

なお、慈善という考え方で動く広告代理店は非常に少ないはずです。
ある広告代理店で、NPO向けのサービスを行っている企業がありました。
しかし、サービスモデルを見る限り、おそらく上手く費用がかからないように見せているだけで、実情は変わらないでしょう。
プラスして、新卒や経験の浅い方のトレーニングとしてサービスを行っているのでしょう、憶測ですが。

あとは、もうひとつ広告代理店(Web関連会社)が動いてくれるケースがあります。
それは、Webサイトの制作や運営、SNS配信など、Webに関わることをまるっと同時にお願いするケースです。
この場合、全体を見ればそれなりの金額になってくるため、ネット広告運用についてもお願いできる可能性があります。

この時のメリットは、Webサイトや運営などと連携しやすいことです。
デメリットは、Webサイト制作をメインにしている場合、ネット広告運用については知識が浅い可能性もあることです。

また、まれに悪質で100万円の広告を配信していますと言いつつ、実際には80万円しか配信しておらず、差額の20万円をふところに入れている広告代理店もゼロではありません。
これについても別記事で少しお話できればと思っています。

では、ネット広告は諦めるしかないのか?

ひとつ提案できる手段として、Google Ad Grantsを利用する方法です。

このブログでも何度も取り上げてますが、Google社が非営利団体向けに提供するサービスで、毎月10,000米ドルを無償で広告配信できます。
毎月、約120万円の広告配信をできるのは非常に大きいです。

Google Ad Grantsについては、下記を読んでみてください。

導入まで少しハードルがあるのが難ですが、利用する方法として、

  • メンバーで試行錯誤しながらやってみる
  • ネット広告運用経験のあるプロボノを探す
  • 慈善で対応してくれる広告代理店を探す
  • 手数料は普通に支払う覚悟で、通常の広告代理店に依頼する

という方法があると思います。
どれも難しい話ではあるのですが、毎月約120万円の広告配信を無料で出来るのを、最初から諦めてしまうのは非常にもったいないです。
それくらい、ネット広告は威力が大きいです。

仮に100万円の広告を出すことを広告代理店に依頼するとすれば、手数料20%が上乗せされますので、120万円かかります。
それを考えれば、手数料の20万円だけで、100万円分の広告配信ができると割り切るのも一つの手です。
通常の広告代理店では受けてくれない可能性もあります。
手間がかかるのと、手数料の問題等が挙げられます。

なお、Google Ad Grantsで使える機能は限られていますので、ネット広告運用経験の浅い方でも対応出来るのではないかと思います
なので、スキルの高い方や広告代理店を探す必要はあまりありません。
むしろ、どれだけ団体の理念に共感し、ユーザーに伝えたいことを把握してくれるかが重要かと思います。

逆を言えば、広告代理店側でも新卒や経験の浅い方を担当させることにはなると思います。
しかし、これはもう仕方のないと割り切るしかないです。

余談ですが、毎月120万円丸々使うのは多くの団体では難しいと思います。
色々な制限があり、利用料金が120万円まで到達することは少ないと考えられるためです。
この辺り、どういう料金体系になっているのかは別記事にてお話できればと思います。

まとめ

今回は、広告代理店の簡単な内情と、ネット広告運用を行ってくれる広告代理店がなぜ少ないか、Google Ad Grantsについてご説明しました。

実際のところ、ネット広告は非常に効果の高いPR手法です。
ぜひ一読頂いて、チャレンジしてもらえればと思います。

 

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